医学部受験情報

医学部専門家庭教師の眼~浪人生の私立医学部受験

私立医学部受験というのは極めて特殊な受験です。
さまざまな角度から問われる問題を高速かつ確実に高得点に結びつけなければならないという合格の難易度の高さはもちろんの事、なにより受験者の層が特殊です。
受験者の層が特殊・・・それは受験者の大半がある意味で医学部受験を宿命づけられているという点です。
早くから駆り立てられるように勉強を開始しているお子様もいれば、自分の進みたい道をわかりながらもなかなかエンジンがかからないお子様もいます。
何とか跡取りを・・という親の気持ち子知らずで全く言う事を聞かず、浪人して初めて目覚める生徒もいます。
医師であるお父様、お母様は厳しい医学部受験をすでに乗り越えています。
しかし、お子様は現段階で当時のお父様、お母様のように医学部受験を乗り越える知識、意欲を持っているとは限りません。
これから医学部受験に臨むお子様たちは、例えば、中高6年間の学校生活を楽しみ過ぎてしまい医学部受験に向けた勉強のスタートが遅れてしまったり、タイミング悪く反抗期を迎え大事な時期に親御さんの言う事に耳を貸さなくなってしまったり、あるいはあまりに膨大な勉強量に嫌気が差してしまったり、成績の伸び悩みに自分の限界を感じてしまったり・・・様々な点から成績の下降やモチベーションの低下という状況に陥りがちです。
思い当たる部分もあるのではないでしょうか?
このような状況下で医学部受験を迎えると浪人という結果になります。
親御様の言う事に耳を貸さない、人の助言が耳に入らない、自己流の勉強やダラダラした勉強が通用するほど医学部受験は甘くありません。
浪人となったことではじめてその点に気づく受験生も少なくありません。

医学部受験において浪人生が有利な点

・時間的ゆとりがある。
・自己流の勉強で失敗しているケースが多く、それだけ伸びシロがある。
・医学部受験当日の独特な緊張感を経験済みである。
医学部受験当日の独特な緊張感を経験済みである。
上記三点が現役生に比べ、浪人生の有利な点と言えるでしょうか。
現役の受験生と比較して浪人生の受験に割ける時間の多さは間違いなく有利な点です。
ダラダラと過ごさず現役生と同じ時間に目を覚まし勉強に取り組むことが出来るという条件付きではありますが、少なくとも現役生が学校で勉強している9時から~16時までは自身の苦手分野の復習をするも自由、予備校に通うも自由です。
そして夕方~夜にかけても現役生と同様に勉強の時間を確保する事が出来ます。
さらに、受験に失敗しているだけに現役生に比べ危機感を持って勉強に取り組むことが出来ます。
また、自己流の勉強で失敗しているケースが多いため、専門家による医学部合格への対策に聞く耳を持った場合、かなりの伸び率を持っているケースがほとんどです。
医学部受験当日の緊迫感を知っているというのも現役生より明らかに有利な点です。
その空気を知っているという事で、受験当日に雰囲気にのまれてしまい実力を出すことが出来ないというケースが減少します。

医学部受験において浪人生が不利な点

・浪人しても危機感のないお子様が少なからずいる
・現役重視の私立医学部では浪人するごとに減点されてしまう
一方で上記二点が浪人生の問題点と言えます。
浪人してもまったく危機感がない生徒も少なからず存在します。
たいていの場合は「現役時代はほとんど勉強しなかったから、今年しっかりやれば受かる」と根拠のない自信を持っています。
当然、現役時同様、まわりの声にも耳を貸しません。
また予備校等で同様の考え方を持つ者同士仲良くなり危機感のなさを共有して、安心しているケースも散見されます。
しかし、この考えこそ、多浪につながる最悪の考えです。
まわりの多浪生も同じような考えで何度も何度も医学部受験に失敗しています。
「今年しっかりやれば受かる」と言っても、現役時にさえしっかりやれなかった生徒が浪人していきなり取り組み方が変わる事は稀ですし、私立医学部は現役生優遇の学校も多いため、不合格に終わった現役の時に必要であった合格点よりも上の点を取らなければなりません。
当然、勉強量も現役生であれば合格できる勉強量以上のものが求められます。
はたしてそれだけの量を現状の甘い考えでこなす事が出来るのかどうかという事になります。
結局はだらだらと時間を浪費し、翌年も同じように「今年は受かる」と言っているのが多くの多浪生の実情です。
気づけば3浪4浪です。
逆に、自分が合格にいたらなかった理由をしっかりと考えている生徒は上記のような言い訳はしません。
淡々と自分に足りなかった点を埋めるため勉強を進めます。

浪人生の私立医学部受験:まとめ

浪人という結果が出て数ヶ月はお子様にとって「自分の勉強が通じなかった」という明白な結果が突き刺さっている時期でもあります。
この時期こそ、お子様が次回の医学部受験に向け、人の意見を取り入れる可能性のあるチャンスなのです。
「この先どうやって勉強を進めていいかわからない・・・。」
「実は助けを求めていたが、意地になっていて言い出せなかった・・・。」
浪人直後に話を伺った多くの生徒から、上記のような返答が返ってきます。
実際はこのままではいけない事を生徒自身で分かっていたケースが大半なのです。
一度、SOSを出してくれた生徒は驚くほど医学部受験に対する姿勢が変化します。
これではじめて医学部受験を突破するスタートラインに立ったと言えるのです。
あとは医学部受験合格に向け、基礎的分野であちらこちらに開いている穴を補強し、必要な知識を様々な角度から問われても解答できるよう定着させ、合格に向けどの教科で何点貯金し、苦手な教科は何点取ればいいという綿密な得点作戦を立て、お子様のタイプに適した志望校の選定を行います。

 

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