医学部受験専門家庭教師のブログ:暗記だけの人材は不要か?
受験問題への根強い批判
受験にありがちな批判として「暗記人間は使い物にならない」「本質を理解して問題を解くべき」という声を10年前も、現在も変わらず耳にします。
なるほど。確かにその通りです。
例えば研究者であったり、得意な科目だけを勉強すればよいのであれば、自分でいろいろと考え、書物を漁り、試行錯誤し解答へとたどり着くのがベストです。
間違ってはいません。
しかし、医学部受験ではそのような批判はまったくの的外れです。
医学部受験生に求められるもの
高校生活という限りある時間のなかで臨まなければいけない医学部受験では、本質を理解するために調べごとをするような勉強時間は確保できません。
また、医学部受験は総じて範囲が広く、勉強時間確保の難しさが顕著にあらわれます。
非効率な勉強をしているとあっという間に受験までの残り時間が少なくなっていきます。
こうした受験で医学部合格に求められる合格点を得るためには、暗記主体の勉強法にならざるを得ません。
また、医学部側も受験という紙切れ一枚で、その生徒が暗記人間かそうでないかの判断をしようなどとは考えていません。
まずは与えられた受験問題という課題で合格点をとれるだけの努力をしてきているか?暗記した知識をつかいこなす要領のよさがあるかどうか?
判断しているのはそれだけです。
なので受験生が医学部受験までに行うべきは少しでも効率よく、無駄なく、医学部受験特有の広い範囲を頭にインプットする事です。
「問題は考えながら解くから頭に入る」「興味を持って調べるから身に付く」などの批判は得意教科を極めるためには有効ですが、受験においてはなんの意味も持ちません。
こうした批判は医学部に合格してから聞きましょう。
考えながら解く時間も時間をかけすぎるとただの無駄な時間ですし、受験問題に興味を持つ必要もありません。
医学部に合格さえすれば好きなだけ専門的な勉強が出来ます。
医学部受験突破に必要な事は得意教科を作る事ではありません(もちろん得意教科がある事はプラスではあります)。
苦手を作ることなく平均的に7割の点を取る事です。
そのためにはあらゆる科目に相応の時間をかけ、幅広く勉強する事が求められます。
そうした生徒達に対して、私たち家庭教師の行うべき事は、生徒自身では範囲が広すぎてなかなか自分自身では気づかない理解の浅い分野、記憶が抜け落ちている箇所を、それぞれの生徒の志望校に合わせて取捨選択し、最短距離で埋めていくことです。
この部分に関しては予備校ではなかなか対応できない部分になります。