医学部受験情報

医学部受験専門家庭教師のブログ:知っておきたい奨学金のこと その2

前回は日本学生支援機構の奨学金について触れましたが、私立医学部への進学の助けとなる奨学金には他にも様々なものがあります。
例えば自治医科大学や産業医科大学のように大学で設けている奨学金や地方自治体で設けている奨学金、さらには病院独自で設けている奨学金もかなりの数存在します。
数が多いためここでそれぞれの奨学金はご紹介できませんが、「東京都 病院 奨学金」のように「場所 病院 奨学金」でインターネット検索をするといろいろと出てきますので調べてみると良いかもしれません。

奨学金:貸与金額について

各病院や地方自治体で設けている奨学金ですが貸与金額としてはだいたい月額15万円~30万円くらいの貸与を受けることが出来ます。
なかには学納金全額の貸与を受ける事が可能な奨学金も存在します。
最も一般的な金額は月額15万円のようです。

奨学金:返済免除条件について

各病院や地方自治体が医学部生のために設けている奨学金は通常一定の条件を充たせば返済が免除されます。
大まかではありますがその条件とは①卒業後の初期研修を指定の病院で受け②貸与年数に一定の割合を乗じた年数を指定の病院で勤務する事です。
この条件を充たす事により奨学金の返済が免除されます。

奨学金:一括返済を求められる場合

奨学金は私立医学部への入学から卒業までの期間、学費的な負担が大幅に減るという事で非常にメリットのある制度です。
しかし、条件を充たせない場合はとても恐ろしいものでもあります。
他学部の奨学金の多くは卒業後に一定年数、同額の返済を続けての返済が基本ですが、医学部生の奨学金は条件を充たせないと一括返済が基本です。
ここでも大まかですが一括返済を求められる条件を述べてみます。
一括返済になるケースとは①医学部を退学した場合②医学部卒業後2年間で医師免許が取得できなかった場合③初期研修や勤務を指定の病院で行わなかった場合などです。
こうした場合は6年間で貸与を受けた1000万円以上の金額を一括で返済する事になりますので、注意が必要です。

奨学金:まとめ

このように奨学金は使い方によってはとても便利な反面、使い方をあやまると恐ろしいものでもあります。
奨学金を利用するという事はある意味、その後10年弱の人生を奨学金とともに歩んでいくことを意味します。
間違っても医師免許を取ることが出来ず奨学金の一括返済を求められる事がないよう、しっかり勉強する事が重要です。
また、今回の記事で述べた事はおおまかにまとめている部分も多いです。
実際には新入生しか受けられない奨学金、2年生以上でも受けられる奨学金、出身地が限定されている奨学金から限定されていない奨学金まで様々なものがあります。
気になる方はぜひ各病院や自治体の募集要項を調べてみる事をおすすめします。

 

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医学部受験専門家庭教師のブログ:知っておきたい奨学金のこと

私立医学部進学で奨学金を利用する場合

最近では学費を抑える私立医学部が増加傾向にあるとはいえ、それでも私立医学部に通うには6年間で2000~5000万円程度の学費がかかります。
これは学費であって、実際には学費のほかに寄付金や学債、合宿費、教育充実費などの名目でさまざまな費用が上乗せされます。
では医師、歯科医師以外の家庭では私立医学部への進学は無理なのでしょうか?
結論から言うと奨学金を利用すれば無理という事はありません。
日本でもっとも有名で利用者が多い奨学金と言えば、学生支援機構の奨学金になるでしょうか。
学生支援機構の奨学金は毎月16万円の貸与が可能です。これは6年間の総額にすると16万円×72ヶ月=1152万円になります。
となると学費の抑えられた私立医学部であれば通うことも不可能ではないはずです。
しかし、奨学金はあくまで貸与であって、必ず返さなければなりません。
ここに恐ろしさがあります。

奨学金に潜む危険

奨学金は借りるお金ですので、当然返さなければいけません。
6年間私立医学部に通い1000万円以上貸与されたとします。
しかし、卒業後必ず医師になるとは限りません。
医学部合格を果たしたにもかかわらず、卒業前に留年を重ね退学する生徒も相当数います。
さて、医者になれなかった生徒がどのように1000万円以上のお金を返済するのでしょうか?
学生支援機構は返済への圧力がかなり厳しいです。
返済が滞ればブラックリストに登録しますし、保証人への請求も行います。
裁判で一括返済を求めた例もあります。
返さないで逃げ切ることは出来ないと思いましょう。
奨学金は正しく使えばとても助けになる制度ですが、甘く考えるとかなりの危険が潜んでいるという認識はもっておきましょう。

国語が苦手な中学受験生の家庭教師

 

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医学部受験専門家庭教師のブログ:浪人生は自分が落ちた改めて理由を考えよう

医学部受験では浪人は珍しくないのはご存じのとおりです。
しかし、漫然と浪人生活をおくっていると多浪に突入してしまう可能性が高まります。
浪人のくやしさを、次の医学部受験でしっかり晴らせるように今一度自分が合格しなかった理由を考えてみることが大切です。

自分がやってきた勉強をチェックする

浪人して最初にやるべきことはなぜ自分が不合格に終わってしまったのかを考える事です。
不合格に終わった理由を考えるのは辛くもありますが、分析なくして正しい今後の指針は生まれません。
時間配分はどうだったか、理解の足りない分野はなかったか、勉強量は足りていたか、いろいろ考えましょう。

勉強量不足

医学部受験生の場合、単純に危機感が足りず、明らかに勉強量が足りずに落ちる生徒がいます。
そういった生徒は自分自身勉強量が足りなかったという自覚があるでしょうから、当たり前ですが危機感を持って勉強する事から始めましょう。
ただし、現役時代に危機感が足りないようでは、時間にゆとりのある浪人生活ではよほど自分に厳しくないとダラダラ過ごす事になります。
ただし、人間そこまで自分を律する事はなかなかに難しいので、ご両親の厳しい目か、家庭教師による生活習慣の改善が必要かもしれません。

参考書・問題集

参考書や問題集を見直しましょう。
ただし、見直すというのは新しいものを探せという事ではないです。
やるべきことは全くの逆。
参考書・問題集をやりつくしたといえるかを見直しましょう。
不合格に終わったという事はやりつくしていないはずです。
現在の医学部受験は標準的な問題でいかに効率よく、ミスなく高得点を取れるかの争いです。
問題集を何冊もやらずとも合格できるのです。
にもかかわらず、不合格に終わったということは「たかが問題集一冊すら満足に出来ていない」という事です。
不合格に終わると新しい問題集に手を出しがちです。
気分転換の意味もあるので否定はしませんが、どうしても新しい問題集が必要であればすくなくともその一冊はやりつくしたと言えるほど使い込みましょう。
次から次へと中途半端に問題集をかじっている生徒に限って、実際はうすっぺらにしか内容を理解していないものです。

メンタルの弱さ

自分が試験本番に弱いという事に、不合格という結果で気づかされる生徒も数多くいます。
このような場合は、絶対に合格するという圧倒的な自信が生まれるほどの勉強量をこなすか、模試をたびたび受けて試験に弱い面を克服していくことが必要です。
また、「先生の言うとおりにやれば大丈夫」という強い信頼がもてる講師(予備校講師でも、家庭教師でも可)の授業を受ける事もメンタルを強くしていくことに効果があります。

 

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医学部受験専門家庭教師のブログ:暗記だけの人材は不要か?

受験問題への根強い批判

受験にありがちな批判として「暗記人間は使い物にならない」「本質を理解して問題を解くべき」という声を10年前も、現在も変わらず耳にします。
なるほど。確かにその通りです。
例えば研究者であったり、得意な科目だけを勉強すればよいのであれば、自分でいろいろと考え、書物を漁り、試行錯誤し解答へとたどり着くのがベストです。
間違ってはいません。
しかし、医学部受験ではそのような批判はまったくの的外れです。

医学部受験生に求められるもの

高校生活という限りある時間のなかで臨まなければいけない医学部受験では、本質を理解するために調べごとをするような勉強時間は確保できません。
また、医学部受験は総じて範囲が広く、勉強時間確保の難しさが顕著にあらわれます。
非効率な勉強をしているとあっという間に受験までの残り時間が少なくなっていきます。
こうした受験で医学部合格に求められる合格点を得るためには、暗記主体の勉強法にならざるを得ません。
また、医学部側も受験という紙切れ一枚で、その生徒が暗記人間かそうでないかの判断をしようなどとは考えていません。
まずは与えられた受験問題という課題で合格点をとれるだけの努力をしてきているか?暗記した知識をつかいこなす要領のよさがあるかどうか?
判断しているのはそれだけです。
なので受験生が医学部受験までに行うべきは少しでも効率よく、無駄なく、医学部受験特有の広い範囲を頭にインプットする事です。
「問題は考えながら解くから頭に入る」「興味を持って調べるから身に付く」などの批判は得意教科を極めるためには有効ですが、受験においてはなんの意味も持ちません。
こうした批判は医学部に合格してから聞きましょう。
考えながら解く時間も時間をかけすぎるとただの無駄な時間ですし、受験問題に興味を持つ必要もありません。
医学部に合格さえすれば好きなだけ専門的な勉強が出来ます。
医学部受験突破に必要な事は得意教科を作る事ではありません(もちろん得意教科がある事はプラスではあります)。
苦手を作ることなく平均的に7割の点を取る事です。
そのためにはあらゆる科目に相応の時間をかけ、幅広く勉強する事が求められます。
そうした生徒達に対して、私たち家庭教師の行うべき事は、生徒自身では範囲が広すぎてなかなか自分自身では気づかない理解の浅い分野、記憶が抜け落ちている箇所を、それぞれの生徒の志望校に合わせて取捨選択し、最短距離で埋めていくことです。
この部分に関しては予備校ではなかなか対応できない部分になります。

 

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医学部受験専門家庭教師のブログ:問題集の使い方

難問揃いであった昔の医学部受験と違い、現在の医学部受験が受験生に求めている事は、標準レベルの時間をいかにミスなく解くことが出来るかです。
そして、その作業を問題量からみると厳しい試験時間内でこなす事が出来るかで合格不合格を判断しています。
簡単に言えば標準レベルの問題をどれだけ効率的に処理できるかという事を判断しているわけです。
他学部受験に比べると医学部受験では範囲的にまんべんなく出題されるケースが大半で、効率よく勉強を進める事が合格には必須となります。
このページでは効率の良い勉強方法について述べていこうと思います。

問題集について

受験生であれば日々の勉強に利用するのは教科書、参考書、問題集、過去問といったあたりでしょうか。
この中で使い方一つで効率が大幅に変わってくるのが問題集です。
みなさんは問題集をどのように利用しているでしょうか?
問題を見る→考える→解くという流れで問題集を利用していないでしょうか?
日頃から医学部受験に向けた勉強を行っていて、偏差値も高いレベルにあるならば上記の方法で問題集を利用しても問題ありません。
しかし、志望校にむけて偏差値がかなり足りない場合、上記のように問題集を利用していては時間的にかなりの無駄があり、非効率と言わざるを得ません。
問題集で例題を解く際、私たちは無意識で自分の頭の中にある似た問題を探しています。
似た問題があればスムーズに例題が解けますが、似た問題が頭の中になければ例題は解けない、または解けたとしても時間を費やします。
そして、この似た問題のストックが頭の中にたくさんあるのが時間をかけてしっかり勉強をしてきている生徒であり、偏差値の足りない生徒の場合はこの似た問題のストックが少ないのです。
当然、スムーズに解けるわけもなく、問題とにらめっこして長時間固まってしまうケースが良くあります。
この机の前で頭を抱えて固まっている時間がまさに非効率なのです。
現状、偏差値が足りないという事は勉強量不足、準備不足が理由の大半です。
頭にストックがないのに考え込んでも解答は出てきません。
そのため、偏差値が足りていない生徒は以下の方法で問題集を利用する事が望ましいと言えます。

問題集の使い方

まず問題集の目的を頭に解法のストックを増やすためと割り切ってください。
問題の解き方を考えるために問題集を使うわけではないのだと。
問題集は解説が問題の真下、または別冊に記載されているものを選びます。
章末や巻末に解説が記載されているタイプの問題集もありますがすぐに解説を見る事が出来ず使いずらいのでおススメしません。
問題集を開き解くべき例題を見つけたら、例題を解かずに答えと解説を見ましょう。
そして、答えと解説を閉じて例題を解きます。
かならず手を動かして解いてください。
この作業により短期的な記憶作業が終了です。
この作業を翌日、1週間後と同じ例題に繰り返すと、問題を見ただけで「あのパターンの問題か」と思い出すようになります。
こうして問題を見ただけでパターンがわかるようになる事ではじめて例題のストックを頭に入れた事になります。
問題集で解けない例題の前で30分~1時間固まっているくらいなら、こうしてどんどんストックを増やしていったほうがはるかに効率的です。
この似た問題のストックが増えてくると同系統の問題で解法が思い浮かびようになります。
受験において思考力や発想力などと言われているものは実際はどれだけ似た問題をストックしているかに過ぎません。
あとは医学部受験での合格に必要な7割の合格点をとれるだけのストックを作ればいいのです。
その状態まで勉強して、医学部受験本番に解法が思い浮かばない問題が出たら解けなくても問題ありません。
そういう問題はまわりも解けませんし、合格のために解かなければいけないわけでもありません。
合格するのに必要な知識をいかに効率よく覚えていくか、これが医学部受験の肝です。
無駄に時間をかけて解けない問題に挑むならば、その時間を知識の習得に充てましょう。

 

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医学部受験専門家庭教師のブログ:医学部受験と模試

医学部受験生を指導していると模擬試験に関する考えは生徒によりいろいろと違いがあります。
積極的に模試を受ける生徒もいれば、みんなが受けるからしょうがなく模試を受けている生徒、中には極力模試を受けないようにしている生徒まで様々です。
そもそも、模試を受ける意味とは何でしょう?

模試の意味とは

模擬試験を受けるもっとも大きな意味は自分の弱点を浮き彫りにする事です。
模試を受ける事でどの分野が苦手なのかという範囲的なものから、どういった傾向の問題が苦手なのかという問題形式的なものまでいろいろと浮き彫りにすることが出来ます。
また、模試は本番の医学部受験に似た時間構成、緊張感の中で受ける事になりますので受験慣れも見込めます。

模試の結果はどのようにとらえるべきか?

模試を受ければ志望校判定や偏差値が出ますが一喜一憂してはいけません。
模試で見るべきものは偏差値や合格判定ではなく、どこに問題点があるかです。
時間内に解答する事は出来たか?
苦手分野はどこか?
記述問題は苦手ではないか?
マーク式の解答に苦手はないか?
そういったところだけ見れば良いです。
たとえ合格判定でA判定が出ても合格が決まったわけではないですし、逆にE判定が出たからといって不合格が決まったわけではありません。
苦手分野を分析して改善する事がそのまま医学部合格に直結するわけですから、むしろ、苦手分野がわかった事を喜ぶべきです。

では、模試はいつ受けたら良いか?

医学部受験を成功に終わらせるためには当然ながら模試を有効に活用しなければいけません。
では、模試はどのタイミングで受けたら有効なのでしょうか?
①模試があったらとにかく受ける。
②やみくもに受けても意味がないので日頃の勉強に自信がついたら受ける。
どちらが正解でしょうか?
答えとしてはどちらも正解ではありません。
模試を受ける意味は前述したように弱点を把握する事と試験慣れです。
しかし、①のようにやみくもに模試を受けてしまうと日頃の勉強のペースが崩れますし、体力的にも厳しくなります。
一方②のように自信がついてから受ける(このタイプの生徒は実はかなりの数います)と言っていると、自信がつく前に受験間近になってしまいます。
試験慣れと弱点の把握という事を考えると、それなりの数の模試は受けておきたいところ。
少なくとも2~3か月に1度は模試を受けておくのが理想です。

模試を受けた後

模試を受けたら受けっぱなしではまったく意味がありません。
解けなかった問題はケアレスミスも含めて要復習です。
緊張感ある試験の中でのミスはそもそもケアレスミスとは言いません。
ケアレスミスを言い訳にしていると何度でも同じミスを繰り返す事になります。
なぜそういったミスをしたかも含めて分析しましょう。
そして特に復習するべきものは正答率が高いのに自分が解けなかった問題です。
相対評価である受験では人が出来ない問題を解ける必要はありません。
周囲が解ける問題で落とす事が問題なのです。
周囲の正答率が高いにもかかわらず得点に結び付けられなかったという事はその部分は明確に実力不足です。
力を入れて復習し、克服しましょう。
それこそが医学部合格に直結する作業となります。

 

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